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肺がんトークQ&A Vol.1 肺がん基礎知識 篇

肺がんトークQ&A Vol.1 肺がん基礎知識篇(医誠会病院 呼吸器外科)

「肺がん」について

「肺がん」とはどんな病気ですか?

「肺がん」とはどんな病気ですか?「肺がん」は、日本人のがん死亡者のもっとも多い原因であり、1998年以降全がん死の第1位が「肺がん」です。割合も全がん死の中で約20%が肺がんです。他の臓器のがんと比べて発見しにくく、見つかった時には進行していて手術が出来ない場合もあります。
肺がんは、大きく「原発性肺がん」と「転移性肺がん」に分かれます。「原発性肺がん」は肺から発生したがんのことで、「転移性肺がん」は乳がんや大腸がんなど他の臓器に発生したがんが肺に転移したもののことです。通常「肺がん」とは、原発性肺がんを指します。
がんの進行の仕方や治療に対する感受性は、もともと発生した臓器の特徴を持つため、原発性肺がんと転位性肺がんでは、検査の種類や治療自体が異なります。

「肺がん」が治りにくいというのは本当ですか?

「肺がん」は、がんの中でも難しい「難治がん」と言われます。肺がんは、自覚症状に乏しく、他のがんと比べても進行が早く、転移もしやすいという特徴があります。肺にはたくさんの血液が流れ込んでおり、その流れに乗ってがん細胞も全身に広がりやすいためです。

「肺がん」にはどのような種類がありますか?

肺がんは、「小細胞がん」と、「非小細胞がん」に大別されます。 「小細胞がん」は、増殖が極めて速く、他の臓器に転移しやすいがんです。肺がんの中でも極めて悪性が高いですが、抗がん剤や放射線治療がよく効くのが特徴です。
「非小細胞肺がん」は「腺がん」 「扁平上皮がん」 「大細胞がん」 「腺扁平上皮がん」などに分類されます。

肺がんの特徴はどういったものですか?肺がんの特徴はどういったものですか?

肺がんでは、せき、痰(たん)、胸痛、呼吸時の喘鳴(ぜいめい:ぜーぜーという音)、息切れ、顔や首のむくみ、呼吸困難等の症状がみられることがあります。しかし、これらの症状は、「気管支拡張症」「気管支炎」などにもみられますので、肺がんとは限りません。 気になる症状がある場合は、早めに検査を受けましょう。

「たばこは肺がんの原因になる」というのは本当ですか?

「たばこは肺がんの原因になる」というのは本当ですか?肺がんの原因として、現在のところはっきりとしているのが「喫煙」です。
タバコを吸う人ほど肺がんにかかりやすく、一般に重喫煙者(1日の本数×喫煙年数=喫煙指数が600以上の人)は肺がんの危険性が非常に高いです。
また、たばこを吸い始めた年齢が低ければ低いほど、がんになる可能性が高いと言われています。
例えば30歳から50歳まで吸った場合よりも、20歳から40歳まで吸った場合のほうが、同じ20年でもがんになる可能性が高い、ということです。
また、たばこを吸っている人は、「肺気腫」という病気で肺の機能が低下する状態になっています。
心臓病などを併発している場合も多くなるため、手術で取り除くことも難しくなります。

肺がん 検査について

肺がんの検査にはどういったものがありますか?

肺がんの検査にはどういったものがありますか?検査にはさまざまな種類がありますが、その内容によって検査の目的が異なります。
肺がんの「存在」を調べる検査は胸部X線・胸部CT・喀痰細胞診 ・気管支鏡 など、肺がんの「種類(組織型)」を調べる調査は細胞診(喀痰、胸水、気管支鏡)・病理組織診(気管支鏡、経皮肺生検)など、肺がんの「広がり」を調べる検査は胸部X線 ・胸部CT ・気管支鏡 ・PET/CT ・腹部CT ・脳CT ・MRI ・骨シンチグラフィーなど、その他補助的な検査は腫瘍マーカー(血液検査)などです。
検査目的を主治医にきちんと説明してもらい、正しく理解したうえで検査を進めていくようにしましょう。

肺がん 治療について

肺がんの治療にはどういったものがありますか?

肺がんの治療には、大きく分けて「手術」「放射線治療」「抗がん剤治療(化学療法および分子標的治療)」があります。

手術

がんのある部分だけを取る「縮小手術」、がん細胞が隣の臓器にも食い込んでいる場合に、隣の臓器の一部も一緒に切り取る「拡大手術」、肺の機能を温存するために行う「気管支形成術」などがあり、従来の行われている「開胸手術」と、小さい創で胸の中を内視鏡で見ながら切り取る「胸腔鏡手術」に分類されます。

放射線治療

X線や他の高いエネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺します。通常、体外から肺やリンパ節に放射線を照射します。一般的には1日1回週5回照射し、5~6週間治療期間が必要です。最近では、1日2回週10回照射する多分割照射も試みられています。症状によっては、副作用も軽減出来、十分な量の放射線照射の出来る3次元照射が出来る場合もあります。

抗がん剤治療(化学療法および分子標的治療)

上記「外科療法」「放射線療法」が局所治療であるのに対して、抗がん剤による化学療法は全身治療です。抗がん剤は、通常2種類以上を使用します。治療期間は通常3~4週を1コースとして複数回繰り返します。毎週抗がん剤を投与する治療も行われています。


また、最近では、第四の治療として「がん免疫治療(がん免疫細胞療法)」が注目されています。

治療方法は、「病期」「部位」「組織型」「既往歴」「年齢」「合併症」など、さまざまな要素をもとに慎重に選択します。複数の選択肢を組み合わせることもありますので、主治医とよく相談しましょう。

肺がん 手術について

肺がんの手術とはどういったことをするのでしょうか?

肺がんの手術のおもな目的は、「病巣を切除する」ということですが、肺がんの場合腫瘍のできた場所の葉単位(右肺が上、中、下葉で、左肺が上、下葉)で切除することが多いです。侵された部分が広い場合、左肺全摘出とか右上中葉摘出といった範囲にもなります。
基本的には、部分切除といって腫瘍とその周りの正常組織の一部のみを切除します。その、より広範囲の場合「区域切除」 といって肺葉をさらに細かく区分けした部分を切除対象とします。その次に肺葉単位となります。その他肺門部、上縦隔の主に主気管支や気管に沿ってあるリンパ節を切除したりする「リンパ節郭清術」があります。

肺がんの手術の種類はどういったものがありますか?

昔は開胸による手術が一般的でしたが、胸の筋肉を切断するため、治療後も痛みが長く続き、患者への負担が非常に大きいものでした。 最近では、痛みや苦しみが少なく、入院期間も短くてすむ「胸腔鏡手術」を行う病院も増えてきています。医誠会病院呼吸器センターでも、胸腔鏡手術を数多く行っています。

「胸腔鏡手術」とはどういったものですか?

「胸腔鏡手術」とはどういったものですか?胸腔鏡手術は体の側面に2~3センチの穴を2、3ヶ所 開け、小型カメラ(胸腔鏡)や自動縫合器などの器具を差し込んで、カメラで映しだしたモニター映像を見ながら、器具を操作します。通常の手術には体力的に耐えられない場合や、高齢の患者でも行える点も長所です。今まで患者さんが大きな傷の痛みに苦しんで、入院期間が一ケ月もかかっていた手術が、本当に小さい傷で済み、術後数日~1週間程度で退院出来るような状況になりました。

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