
調べる検査です
ゲノム薬理学(ファーマコゲノミクス、Pharmacogenomics、略称PGx)とは、「薬物応答と関連するDNA及びRNAの特性の変異に関する研究」と定義されています(厚生労働省 薬食審査発第0109013号 ゲノム薬理学における用語集について)。
薬物応答とは薬に対する体の反応を意味し、よく効く/効かない/副作用が出やすい/副作用は出ない等、その特徴を薬剤反応性と称します。
ゲノム薬理学によく似た用語として薬理遺伝学(Pharmacogenetics)が使われることもあります。一般に、薬理遺伝学は生まれつき保有し次世代へ遺伝する遺伝子情報(生殖細胞系列)を扱い、ゲノム薬理学は生殖細胞系列遺伝子に加えてがん細胞(体細胞)遺伝子も扱うため、より広い概念です。医誠会が提供するゲノム薬理学検査は、生殖細胞系列遺伝子のみを対象としますので、薬理遺伝学検査と同義になります。
個人の薬剤反応性に関わる遺伝子配列情報を調べ、その結果から「薬の効きやすさ」、「副作用リスク」、「薬剤アレルギー体質」を推定することを目的としています。
本検査は、遺伝子検査及びその解釈(体質の推定)に関する情報提供であり、診断や治療を目的とする医療行為に該当するものではありません。したがって、本検査が提供する情報は、医師の診断や処方内容に置き換わるものではありません。
本検査は、採血した血液からDNAを抽出し、薬剤反応性に関わる遺伝子部分のみを解析します。薬剤反応性以外の部分は解読いたしませんので、遺伝性疾患の素因やリスクに関することは本検査では分かりません。
生殖細胞系列遺伝子は、生まれつき保有している遺伝子情報のため、生涯変わることはありません。
ただし、解析技術の進歩、新薬の登場、新しい医学的発見により、将来の検査結果の解釈と情報提供の内容が現時点とは異なる可能性もあります。当院では、常に最新の医学薬学情報や確立したエビデンスに基づいて検査結果を解釈していますので、同じ検査結果であっても現時点と過去又は将来における解釈が異なる可能性(例えば、リスクのある薬剤の追加など)があり得ます。
過去に本検査を受けられた方が、この最新情報についてご関心をお持ちの場合は、当院「薬の効きやすさや薬剤アレルギー体質に関するゲノム解析相談」において最新の医学薬学情報と遺伝子検査結果の解釈をお伝えします。
個人遺伝情報及び個人情報の取り扱いについては、個人情報保護法、ゲノム医療法等関連法規及び医療法人医誠会個人情報保護規定に従い、適切に行われます。
本検査で得られた情報は、医誠会国際総合病院及び医療法人医誠会の施設において電子カルテに保管され、検査を受けられた方にとって適切かつ安全な薬物療法を遂行するために活用されます。
また、検査結果報告書をお渡ししますので、他の医療機関における診療にもお使いいただけます。
ゲノム薬理学検査は全額自費の検査です。