妊婦さん・子育て家庭のための
防災
〜“もしも”に備える小さな準備〜
近年、地震や台風などの自然災害が増え、「いつ起こるかわからない」状況が当たり前になってきました。特に妊婦さんや小さなお子さんのいるご家庭では、避難や生活の不自由がより大きな負担となります。いざというとき慌てないために、日頃からできる防災の準備を整えておきましょう。
まず大切なのは「非常用持ち出し袋」の準備です。災害時には一般的な防災グッズに加えて、母子健康手帳、健康保険証、産院の連絡先、常用薬、マタニティマークなどを入れておきましょう。母子健康手帳や健康保険証は普段から使うものなので、非常用持ち出し袋に入れておくということは難しいかもしれません。そんな時は、大事なページをコピーして入れておく、また写真を撮って保存しておくのもおすすめです。
お子さんがいるご家庭では上記に加えて、ミルクや離乳食、おむつ、おしりふき、着替えを最低でも3日分は入れておきましょう。食品はローリングストックと言って、一定量を備蓄しつつ、消費期限の早い方から使用し、入れ替えていくことで簡単に無駄なく備えることができます。また、普段は母乳で育児をしている方も、災害時にはストレスで母乳が出にくくなることがあります。授乳方法にかかわらず、ミルクセットは用意しておきましょう。電気やガスが止まるとお湯が作れなくなるため、液体ミルク缶があると便利です。
次に、避難先の確認も重要です。お住まいの地域の避難所を調べておき、妊婦さんや乳幼児連れでも過ごしやすい環境かどうかを確認しておきましょう。避難の際は両手が使えるように抱っこ紐が便利です。避難先に授乳室が設けられているかは自治体や状況によっても異なるので、授乳用ケープも用意しておくと良いでしょう。また、自宅が安全な場合は「在宅避難」も選択肢の一つ。水・食料・電源の備蓄を増やすことで、安心して過ごせる時間を延ばせます。
心の準備も忘れずに。災害時は不安や緊張で心身に負担がかかります。妊婦さんは体を冷やさないようにし、無理をせず休むことが何より大切です。小さなお子さんには、抱っこや声かけで安心感を与えましょう。「怖かったね」「ママがいるから大丈夫だよ」といった言葉が、子どもの心を落ち着かせてくれます。 防災の準備は、「完璧にしなければ」と思うと大変ですが、できることから少しずつ始めれば十分です。日常の延長にある“ちょっとした備え”が、家族を守る大きな力になります。 大切な命を守るために、今日から一歩、防災の準備を始めてみませんか。
※ 本コラムは一般的な防災の参考情報です。個別の状況に応じては、かかりつけの医師や自治体の防災担当窓口にご相談ください。






